須走ルートはきつい?静かな登山を楽しむコツ【須走ルート】

5合目

富士登山を計画する際、多くの人が吉田ルートや富士宮ルートを選びます。
しかし、「須走ルート」という選択肢を検討したことはありますか?富士山の登山ルートの中でも、須走ルートは登山者数が少なく、静かに登れる穴場です。しかし「キツイから人気がないのでは?」と感じる初心者の方も多いかもしれません。実は、須走ルートには初心者でも安心して楽しめるポイントがたくさんあります。この記事では、須走ルートの魅力や具体的な登山の楽しみ方を紹介し、初心者でも快適に登れる理由をお伝えします!

目次

富士登山には4つの主要ルートがあります。それぞれ特徴があり、人気の理由や登山者数に違いがあります。

ルート名2024年登山者数出発地標高往復距離所要時間目安
(登り/下り)
吉田ルート114,857人2,305m約15.1km6時間 / 3時間20分
富士宮ルート53,218人2,380m約10km5時間 / 2時間40分
須走ルート22,830人1,970m約13km6時間 / 3時間
御殿場ルート13,411人1,440m約19km7時間30分 / 3時間10分

吉田ルートの人気の理由

首都圏からのアクセスが非常に良好であることに加え、多くの山小屋が点在している点です。特に、五合目、七合目、八合目には救護所が設置されており、初心者でも安心して登山を楽しむことができます。この充実したサポート体制が、多くの登山者に選ばれる要因となっています。

富士宮ルートの人気の理由

富士宮ルートが人気の理由の一つに、標高2,400mと最も高い五合目からスタートできる点があります。
山頂までの距離が最短で、最長距離の御殿場ルートと比べると、その行程はおよそ半分に抑えられます。

御殿場ルートの登山者が少ない理由

それは主にその距離の長さと山小屋の少なさにあります。御殿場ルートは、他のルートに比べて最も距離が長く、富士宮ルートの約2倍近い約20.8kmの行程があります。また、山小屋が少ないため、休憩ポイントが限られ、登山者には高い体力と経験が求められます。このため、初心者や体力に自信のない方には不人気です。

須走ルートの登山者が少ない理由

須走ルートの登山者数が少ないのは、吉田ルートや富士宮ルートの人気が高いためです。これらのルートはアクセスが良く、施設も充実しているため、多くの登山者が集まります。その結果、須走ルートは相対的に不人気に感じられます。

メリット① 他のルートよりも空いている

富士登山といえば、夏のシーズンには多くの登山者で賑わいます。特に吉田ルートは人気が高いため、登山者が多いです。一方で、須走ルートは登山者が比較的少なく、自分のペースで登りやすいというメリットがあります。

須走ルートの登山道は、本八合目まで独立した道が続いており、静かでのびのびと登ることができます。森林地帯から始まり、登山者が少ないことで、自然をじっくり楽しむ余裕があるのも魅力です。喧騒を避けたい方にはぴったりのルートです。
ただし、山頂付近では吉田ルートと合流するため、深夜帯は渋滞が発生する可能性があります。そのため、早めの出発や登山計画の工夫で混雑を避けるのがポイントです。それでも、山頂付近まで渋滞がほとんどない快適な登山を楽しめるのは、須走ルートの大きな利点と言えるでしょう。

人の少なさ

メリット② 他のルートよりは日焼けのリスクをある程度軽減できる

富士山は非常に紫外線が強い山です。
私は登山のほかにロードバイクも趣味にしており、ある時、富士山の0合目から5合目までサイクリングしたことがあります。その際、長袖を着ていたものの、うっかり腕まくりをしてしまいました。結果、わずか数時間で腕が真っ赤になり、火傷のような状態に。皮膚科に通うほどのひどい日焼けを経験しました。そんな富士山での登山において、須走ルートは他のルートに比べて日焼けのリスクをある程度軽減できます。その理由は、登山道の序盤が樹林帯の中を通るためです。木々に囲まれた道を歩く間は、紫外線を直接浴びる機会が減るため、日焼けの心配が一時的に軽くなります。
もちろん、長袖や日焼け止めをしっかり準備することは必須ですが、紫外線対策が少し楽になる点は初心者や肌の弱い方にとって嬉しいポイントではないでしょうか。

樹林帯
樹林帯

メリット③ 景色が変わるから飽きない

須走ルートは、背の高い木々に囲まれた樹林帯からスタートし、都会の喧騒を忘れるような静けさに包まれます。
一方で、六合目を過ぎると木々が少なくなります。「そろそろ木の中を歩くの飽きたな。雲海見たいな。」そんなタイミングで視界が徐々に開けてきます。まるでトンネルから抜けたような感覚になります。空が近く感じられる山頂付近の景色は圧巻で、標高の違いによる気温や空気の変化も体感できます。森林とひらけた景色、どちらも楽しめるのは須走ルートの大きな特徴です。

6合目まで
六合目までの登山道
6合目、山小屋
樹林帯をあけて初めての山小屋

樹林帯を抜けて初めての山小屋。山小屋ではめずらしい、ゆで卵を売っていました。雲海を見ながらひと休憩。

頂上付近
頂上付近
振り返ったら見える雲海

メリット④ 頂上のでの御来光を避けた場合、渋滞を避けられる

御来光というと、山頂でのご来光をイメージする方も多いと思いますが、途中の山小屋での宿泊でも見る事ができます。その場合、吉田ルートと合流後も渋滞に巻き込まれる可能性は低いでしょう。

見晴館
御来光
見晴館から見える御来光

メリット⑤ 下りでの砂走り

須走ルートの砂走りは、七合目から約2キロの砂の斜面を一気に滑り降りることができます。時間にして約30分から1時間くらいです。

「須走ルートには山小屋が少ないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし実際には、須走ルートには12軒もの山小屋が点在しており、吉田ルートに次ぐ充実度です。トイレ休憩や、軽食の購入などが可能なため、初心者でも安心して登山を楽しめます。

登山は苦手だけど雰囲気を味わいたいという方は、五合目の山小屋に行ってみるのもいいかもしません。
登山者を見送りながら、食事を楽しめます。

須走ルート山小屋一覧

合目山小屋名標高五合目からの
所要時間
登山者向けの特徴
五合目山荘菊屋1,960mすぐ登山口近くで、売店もあり水や軽食が購入可能。
五合目東富士山荘1,960mすぐ樹林帯の中で休憩でき、きのこ料理が名物。
新六合目長田山荘2,450m約1時間樹林帯を抜けた後の休憩所で、静かな環境。
本六合目瀬戸館2,700m約1時間30分広々としたスペースで休憩できる。
七合目大陽館2,925m約2時間景観が良い。
本七合目見晴館3,200m約3時間ご来光観賞に最適な位置にある。
八合目下江戸屋3,300m約3時間30分下山専用道と接続しており、混雑が少ない。
本八合目上江戸屋3,450m約4時間吉田ルートとの合流地点。ここから先は混雑増加。
本八合目富士山ホテル3,400m約4時間大規模な施設で多くの登山者を収容可能。
本八合目トモエ館3,550m約4時間30分特製パン販売。
九合目御来光館3,600m約5時間山頂に最も近い位置にあり、最後の休憩所。
山頂頂上富士館3,740m約5時間30分温かい食べ物や飲み物の購入が可能。
お土産は、年号入りの登頂バッジやキーホルダーなどが人気。

砂走りの対策

須走ルートの名物「砂走り」は、一気に下る爽快な体験が魅力です。ただし、砂埃が靴や服に入りやすいという難点もあります。快適に下山を楽しむためには、ゲイターやスパッツを準備しておくと安心です。

また、砂走りはスピードのコントロールが難しいと感じる方もいるかもしれません。無理をせず、自分のペースで下ることを心がけましょう。通常は砂走りはが続くのは30分から1時間程度ですが、初心者の方は少し多めに時間を見積もっておくとより安心です。

ライトは必須

樹木が多く生い茂るため、暗く感じることがあります。特に下りの時は注意が必要です。
明るい時間に戻る予定でも、予定通りに行かないことも多いので、ヘッドライトは忘れないようにして下さい。
予備の電池も持って行くと安心です。

道迷いに注意

吉田ルートと合流します。特に下りは間違えないように注意して下さい。看板を確認したり登山アプリの利用をおすすめします。

山頂で御来光を見る場合は混雑必須

須走ルートは八合目以降で吉田ルートと合流するため、山頂付近では混雑する可能性があります。特に御来光の時間帯は多くの登山者が山頂を目指すため、渋滞が発生しやすいのが特徴です。須走ルート自体は比較的空いていて快適ですが、合流後は吉田ルートの登山者と一緒になるため、ペースが乱れることもあります。早めに出発したり、山小屋からの御来光を選ぶなどの工夫がおすすめです。

須走ルートは、静かな環境で自然を楽しみながら登山をしたい方に最適なルートです。また、初心者でも安心して楽しめる充実した山小屋や景色の変化、混雑の少なさといった魅力があります。
あまり知られていない須走ルートですが、ぜひ検討してみてください。

頂上
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