一度は富士山に登ってみたいけれど、これから登山を続けるかどうかは分からないし、安いものでいいかな。
登山用品店に行ったら、「富士登山コーナー」があり、そこに置いてあった登山靴だから安心だと思っていませんか?
「富士山は舗装されているから、スニーカーで大丈夫」という言葉を耳にすることがあります。
しかし、舗装されているとはいえ長い距離を歩くことになるため、登山靴の選び方がとても大切です。
私はこれまで毎年富士登山をしており、これまでに6回の登頂を経験しました。
その中で、3度も登山靴を買い替えた私の体験談をお伝えします。
こちらの記事でも書きましたが、改めて登山靴についてまとめてみようと思います。
少しでも何かのお役に立てたら嬉しいです。
登山靴選びはなぜ重要?
富士登山では、標高が上がるにつれて石や砂利の多い道が増え、普通の靴では対応しきれない場面が出てきます。
中にはスニーカーや革靴で挑戦する登山者もいますが、長時間の歩行や急な天候の変化に備えるためには、登山靴の選び方が安全性と快適さに大きく影響します。
特に富士宮ルートは、他のルートと比較して岩場が多く、登山靴の選択が重要です。下山時には滑りやすく危険な箇所が多くあります下りで足が痛くなったり、疲労で動きが鈍くなるのを防ぐには、足にしっかりフィットした登山靴が大切です。
実際に私が履いてきた3足の登山靴の体験談
1足目: メルカリで買った中古の靴
コストを抑えようとメルカリで中古の登山靴を購入しましたが、使用頻度がわからないまま履いていました。ソールが劣化していたため、滑りやすく転ぶ場面が多くありました。中古品はお得ですが、ソールの状態に要注意です。滑り止めの効果が弱くなると、安全面でリスクが高まります。
2足目: 憧れの海外ブランドの靴
新しい登山靴を買い、ウキウキした気持ちで挑んだ富士登山。しかし、結果は…登頂・下山は無事に終えたものの、後日、親指の爪が剥がれてしまいました。下山時、数時間にわたり靴に親指が当たり続けていたのです。人気ブランドの登山靴でしたが、足幅が狭く、偏平足の私には合わなかったようです。お店で試し履きをした際はフィットしていると感じたものの、実際に富士山を登った結果、このようなトラブルに見舞われました。デザインやブランドに惹かれるだけでなく、自分の足に合った靴を選ぶことの重要性を痛感しました。
3足目: 日本メーカーの靴
現在使用している日本メーカーの靴は、足幅が広めで、日本人の足型に合いやすいです。偏平足の私でも快適に履けており、特に下山時にも足が痛くならないので、安心して富士山を登ることができました。
登山靴選びのポイント:これだけは押さえよう
足首の高さは「ミドルカット」を選べば間違いなし
登山靴は大きく3種類に分かれ、足首の高さが異なります。
- ハイカット
- ミドルカット
- ローカット
ミドルカットまたはハイカットを選ぶことをおすすめします。ローカットは足首が固定されておらず、足元が不安定になりやすいため、特に初心者には不向きです。山道に慣れていない方にとって、足首のサポートがないと捻挫などのリスクが高まります。
ハイカットは本格的な登山向けのモデルが多く、価格が高くなりがちです。そのため、バランスの取れたミドルカットを選ぶのが最もおすすめです。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
ハイカット | 足首をしっかりサポートし、くじきを防ぎやすい 重い荷物を持つ際に安定感がある 難しい岩場や不整地に強い | 重量が重く、疲れやすい 動きにくいと感じる場合がある 値段が高いものが多い |
ミドルカット | 足首をサポートし、動きやすさとのバランスが良い 初心者や中級者に適したバランス型 軽量で比較的疲れにくい | ハイカットほどのサポート力はない |
ローカット | 軽量で歩きやすい 短距離や軽いハイキング向き | 足首のサポートが少なく、捻挫やケガのリスクが高まる 長距離や難易度の高い登山には不向き |
グリップ力の高いソールを選ぼう
富士山の登山道は砂利道や岩場が多く、特に下山時に滑りやすいことがよくあります。砂利や石が多いルートでは、足元が不安定になるため、グリップの弱い靴だとバランスを崩しやすくなります。グリップ力の高い靴は安心感があり、初心者の強い味方となってくれます。
特に富士宮ルートは、下山時に岩場も多いため滑りやすい状況が生まれます。こうした環境では、グリップ力の高い靴を選ぶことで安心感が格段に増します。
富士宮ルートは登りと下りの人が同じルートを歩きます!
岩場も多いので、グリップ力が高いと安心!!
靴底のソールにはさまざまな種類がありますが、中でも一番のおすすめは「Vibramソール」です。
Vibramソールは高いグリップ力と耐久性を持ち、多くの登山家に信頼されているため、特に滑りやすい富士山のルートには最適です。初心者にも安心感を与え、快適に登山を楽しむことができるでしょう。
Vibramソールとは?
起源:1935年に登山家のVitale Bramaniが開発しました。当時の革製の靴底では不十分だと感じ、より安全な靴底を作ろうと考えたのがきっかけです。
特徴:
【高いグリップ力】岩場や滑りやすい地面でも安定して歩けます。
【耐久性】期間使用しても摩耗しにくいです。
【パターン】多様な地形への対応: 様々な地形に合わせた異なるパターンのソールが開発されています。
識別方法:多くの場合、靴底に黄色の八角形のVibramロゴが付いています。このロゴを見れば、Vibramソールを使用していることが分かります。
信頼性:長年の実績から、多くの登山家やアウトドア愛好家に信頼されています。「登山靴といえばVibramソール」と言われるほど一般的です。
種類:用途や地形に応じて様々な種類があります。例えば、岩場用、雪山用、トレッキング用など、それぞれに適したデザインのソールが開発されています。
Vibramソールは、その高い性能と信頼性から、多くのシューズメーカーが採用しています。
靴を選ぶ際、Vibramソールが使われているかどうかは、その靴の品質や性能を判断する一つの指標となっています。
防水性と通気性のバランスが大切
富士山の天候は変わりやすく、突然の雨も珍しくありません。防水性がある靴は必須ですが、防水だけでなく通気性も大事です。靴の中が蒸れてしまうと、靴ずれや足の冷えを引き起こすことがあります。防水透湿素材の靴を選ぶと、雨を防ぎつつ足の蒸れを軽減できます。
防水浸透素材の種類もメーカーによってさまざまありますが、一番のおすすめは「ゴアテックス」です。
ゴアテックスとは?
「ゴアテックス」は、登山靴やアウトドア用品によく使われる防水・透湿(とうしつ)素材です。
防水というと「水を通さない」というイメージがあると思いますが、ゴアテックスのすごいところは、水をしっかり防ぎつつ、汗や湿気を外に逃がしてくれるところです。
これによって、登山中に足が濡れないだけでなく、靴の中が蒸れて不快になることも防いでくれます。
靴底が固め
靴底が固め
普段スニーカーを選ぶときは、靴底が柔らかい方が歩きやすいことが多いですが、登山靴の場合はその逆です。登山靴選びにおいて、靴底の硬さは非常に重要な要素のひとつです。特に、岩場が多い山や長時間の登山では、靴底が固い靴を選ぶことが大きなポイントとなります。
岩場が多いルートでは、足を置く場所が限られることがよくあります。例えば、つま先だけで岩に立つような場面では、靴底が柔らかいと不安定になりやすく、足がグラついてしまうことがあります。一方、靴底が固い登山靴であれば、少ない接地面でもしっかりと体を支え、安定したバランスを保つことが可能です。
私自身、最初に買った登山靴は、やや柔らかめの靴底でしたが、固い靴底のものに買い替えてから、下りの安心感が格段に増したことを実感しています。靴底が硬いことで、足裏への負担も軽減され、より長時間の歩行でも疲れにくく、安定感が向上しました。
足に合ったフィット感が最重要
登山靴が足に合っていないと足に大きな負担がかかり、長時間の登山では特に、足が痛くなったりマメができたりする原因になります。
試し履きするときは必ず、登山用の靴下を履いてください。登山用靴下は通常の靴下と比べて厚みがあり、クッション性も高いため、登山時の実際の履き心地をより正確にシミュレーションできます。通常の靴下は、薄手のため、登山靴との間に隙間ができやすく、実際の履き心地と異なる場合があります。登山用靴下を持っていない場合は、お店で貸してもらえることも多いです。
サイズは、つま先に指1本分程度の余裕があるものを選びましょう。かかとにも指1本分の隙間があるか確認し、かかとが靴の中で浮かないようにしましょう。
店員さんに足のサイズを測ってもらい、適切なサイズを選んでもらうのが確実です。
まとめ
登山靴をメルカリで買う場合は、慎重に検討して下さい。
履き古されていないか・メーカーやサイズは自分に合っているかなど。
登山初心者の方は、実際に登山用品店や登山靴のショップに行って購入することをおすすめします。
「富士山コーナー」の登山靴は、見た目が良くても必ずしも自分の足に合うとは限りません。
合わない靴を履いてする登山は苦痛な時間が長く続きます。
ケガにつながるだけでなく、登山が嫌いになってしまうかもしれません。
自分に合った登山靴を選び、安全で楽しい富士登山を楽しみ、いい思い出をたくさん作りましょう!
私が選んだのはこちらの登山靴です【Caravan GK83】
後継はこちら【Caravan GK88】